Rui's Values

人生観や趣味について書いてます。たまにヒゲ脱毛も。

恋愛弱者の僕が『恋愛工学の教科書』を読んだ。

『恋愛工学の教科書』を読んだ。

 

 

 

突然だが、自分は『恋愛』が苦手だ。好きな人がいて、想いを伝える。それだけで済まない恋愛が苦手だ。何回目のデートで告白するとか、あえて待つみたいな謎の駆け引きとか、「もう少し早く言ってくれたら付き合ったよ」とかいうタイミングとか。暗黙の了解と一般論が詰まった、『恋愛』というものが苦手だ。

 

だが、嫌いなわけではない。苦手なだけだ。暗黙の了解と一般論が詰まった、そのめんどくささも恋愛の醍醐味だとは思っている。

 

正直、自分もまだまだ若いし、恋愛がしたい。女性と触れ合いたい。だけど、あまりに恋愛が苦手すぎる。行動力がない。アプローチの仕方がわからない。暗黙の了解と一般論が理解できない。

 

 

 

非モテの僕の過去の恋愛

 

自分のこれまでの恋愛を振り返ると、ただの不審者でしかない。自分がどのくらい恋愛が苦手なのかどうか、読者に伝えるために一つの恋愛体験を紹介しようと思う。

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あれは確か高校生の時。今でこそオワコンだがmixiとかいうSNSが流行っていた頃の話だ。

 

自分は高校が遠く、電車通学をしていたのだが、地元の最寄り駅で他の電車通学している中学時代の元同級生としばしば遭遇することがあった。

 

いつもは仲の良かった男友達しか目に留まらないが、ある日、中学3年の時のクラスメイトのNに会った。いや、会ったといえば語弊がある。遠めに見ただけだ。会って話したわけではない。そんなの自分にはハードルが高すぎる。遠めに見ただけだが、「かわいいな。」そう思った。

 

高校が女子の少ない学校で異性に飢えていたというのもあったが、それを抜きにしてもかわいかった。一気に中学の記憶がよみがえる。多くの女の子は女の子同士でしか話さず、たまに男と話すことがあってもそれは陽キャかイケメンだけだ。自分みたいな汗っかき陰キャと女の子が話すことなんてそうそうない。

 

だがその子は違ったのだ。自分みたいな汗っかき陰キャとも優しく話してくれた。そしてかわいい。・・・付き合いたい。僕がそう思うまで10秒もかからなかったと思う。だけど話しかける勇気はない。

 

だから僕はmixiを使った。家に帰ってからその子のアカウントを検索し、メッセージを送った。

「久しぶり!中学同じだった半袖マンだよ!覚えてるかな笑 そういえば、さっき〇〇駅にいたよね」

今思えば、陰キャ丸出しメッセージだ。なーにが「駅にいたよね」だ。いたなら話しかけろよ。話しかけないならmixiのメッセージも送るなよ。僕が女の子ならそう思ったはずだ。

 

しかし、返事はきた。「覚えてるよ!話しかけてくれればよかったのに!」

・・・・・・・・・好きだ。好きになってしまった。

そこからの自分はもうストーカーだった。

毎日、学校が終わって家でご飯を食べた後、「ちょっと散歩してくる。」そう母に告げ、課題が忙しい日も雨が降る日も僕とNの最寄り駅の改札前で何時間も待ち続けた。

アタックするため?いや違う。話しかけるため?いや違う。

目を合わせるためだ。

意味がわからないと思う。僕も今思えば意味がわからない。

でも、毎日駅に行って改札前で待機し、その子が改札から出てきたら目を合わせてすぐに帰る。そんな日々を過ごしていた。よくオナニーのことを『日課』とよんだりするが、あの時の僕はNと目を合わせて満足するのが日課だった。

女の子にアプローチする方法なんて知らなかった。普通に話しかけてデートに誘うなんて思いつかなかった。

毎日姿を見せれば、毎日目を合わせれば、Nが僕のことを好きになってくれる、そんな夢を本気で見ていた。

 

もちろん結果は最悪だ。

何週間か経った頃、Nは僕の姿を見ると手のひらで顔を隠し、目も合わせてくれなくなってしまった。

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長くなってしまったが、これが僕の恋愛レベルを一番よく表した出来事だ。

なんで最初に駅で話しかけない?なんで目を合わせて満足??なんで直球でデートに誘わない???

恋愛強者からしたら意味がわからないと思う。でも、おそらく世にたくさんいるであろう恋愛弱者はみんなこんなものなのだ。恋愛弱者からしたら同意できる部分が少なからずあったかもしれない。

 

基本的に受身。相手から自分に話かけてくれる、好きになってくれるのを待っている。

失敗して恥をかきたくない > 相手を好き、の状態。

これが、失敗して恥をかきたくない < 相手を好き、になると一気にストーカーのような度の過ぎた行動を起こしてしまう。

これが恋愛弱者なのだ。普通に知り合い、普通にデートをし、普通に告白する、これができない。

 

僕の恋愛レベルの低さ、わかってもらえただろうか。

 

いつか来るど真ん中ストレートのために、どんなボール球でも全力でバットを振りたい。

 自分の恋愛レベルの低さを紹介したが、自慢ではないが顔面偏差値はそれほど低くなかったみたいで、大学に入ってからは出会いの数の多さもあり、後輩から告白されたり、サークルの同期と付き合ったりした(1年5か月で別れたが)。

 

ただ、この環境の良さにあぐらをかいてしまった。大学という環境はたくさんの子に会える。自分はただ恋愛レベルが上がったわけではなく、たくさんの女の子との出会いがあったから、たまたまその中に自然体の僕を好いてくれる子がいただけだったのだ。

 

そして大学卒業間際、好きな子ができたのだが、『自分からアプローチして振り向いてもらう』なんてことは自分にはできなかった。結局僕の恋愛レベルはNにストーカー行為していた時と何も変わっていなかったのだ。

 

僕は強く感じた。

「恋愛レベルを上げたい」

いつか会うであろう運命の人にアプローチするために、好きじゃない女の子とも積極的に話して、練習するしかない。

 

僕と恋愛工学の出会い

 

そんな時、『恋愛工学の教科書』に出会った。

存在自体は前から知っていたが、ここまで本気で何かに縋ろうと思ったのは初めてだ。

 

 本の帯にはこう書いてある。

金融工学フレームワークを使って、恋愛を科学の域にまで高めたもの。」

工学、フレームワーク・・・自分の好きな言葉が並べてある。

 

「99%の男が知らない現代の恋愛戦略!!」

これを読めば恋愛市場において上位1%のプレイヤーになれるのか。

 

いろいろと御託が並べてあるが、とりあえず読み進めた。

最初はよくある恋愛指南本と同様、見た目、お金、社会的地位の重要さが羅列してある。

おいおい、そういうことじゃないんだ、僕が知りたいのは相手と信頼関係を構築するテクニックなんだ、という言葉を抑えてじっくり読む。何事も導入は大事だ。

 

 少し読み進めると理論の紹介が始まる。

女はセックスした相手を好きになる『セックストリガー理論』

一人の女の子に必死に下手に出てアプローチする『非モテコミット』

友情ポイント溜めに溜めまくって、最後一気に恋愛の感情へ裏返す『フレンドシップ戦略(良くない方法)』

 非常に同意できる理論の数々。

これまでの自分なんて非モテコミットとフレンドシップ戦略しかしてこなかった。

挙動不審で、下手に出て、いかにもモテない男ですって顔で女の子にアプローチしようとしていた。

一人の女の子に尽くせば、漫画みたいな恋物語が始まると思っていた。

 

 『褒めずにディスる

この文を見た時に学生時代を思い出す。よく陽キャが背の低い子をからかったりしていた。もちろんその子に対して「属はいいと思うよ」なんて非モテ発言しても全くの意味がない。

 

テクニックに続いて状況・場面の違いが書いてある。

マッチングアプリなのか、合コンなのか、ストリートナンパなのか、後者になればなるほど難易度が高く、女の子の質が上がるらしい。

 

この後も無駄な語り等なく、ひたすら恋愛工学の理論・テクニックが紹介される。

一つ一つのテクニックを紹介してもきりがないし、知りたい人は買って読んでほしいとも思うからこのへんにしておく。

 

感想

 これは『恋愛工学の教科書』であって『恋愛の教科書』ではないんだな。

読み終わって初めに思った。

もちろん本の内容を批判するわけでもないし、予め本の内容はだいたい予想していた。

だが、なんとなく本を読んだだけで恋愛強者になれるのではないか、そんな希望が少なからずあった。甘かった。

 

本の中にこういう文があった。

「99%の男はセックスしたければ自分から行動しなければならない」

 

そう、結局はこれだ。行動力なんだ。

行動しなければ、そもそも恋愛工学は使えない。見た目をよくするテクニックでも、読んだらイケメンになれる魔法の本ではないんだ。

 

だから行動しない人間がこの本を読んでも何も変わらない。

この本のターゲットは『行動することはできるけど、適切なアプローチがわからない』

そんな人に向けた本だからだ。

 

 

 

もう5年以上も前、中学の元同級生にストーカーまがいのことをしてしまった。

あの行動力、次は正しい方向に活かしたいと思う。

もう非モテは卒業したい。

 暗黙の了解と一般論が詰まった、『恋愛』の苦手意識を壊したい。

 

例年より「暑い」夏。この夏を例年よりも「熱い」夏にするには僕の行動力に全てかかっている。